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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻2号

2010年02月発行

文献概要

症例報告

高齢者に生じ潰瘍を伴ったアナフィラクトイド紫斑の1例

著者: 米田雅子1 落合宏司1 清金公裕1 森脇真一1

所属機関: 1大阪医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.113 - P.116

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要約 70歳,女性.既往歴に胃癌がある.2008年1月初旬左下腿に紫斑が出現し,紫斑は両下腿前面に黒色,黄色の壊死組織を伴う大小不規則な潰瘍に進展した.病理組織学的には真皮上層に血管周囲性の炎症性細胞浸潤と核破砕像を認め,蛍光抗体法にて血管壁にC3の沈着が観察されたため,本症例をアナフィラクトイド紫斑と診断した.今回の症例が重篤な壊死性皮膚潰瘍を形成したことに関して,その詳しい機序は不明であるが,患者が高齢であったこと,悪性腫瘍(胃癌)を合併していたことなどとの関連が示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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