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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻2号

2010年02月発行

文献概要

症例報告

ニコチン酸アミドが奏効した持久性隆起性紅斑

著者: 武井怜子1 津田達也1 山西清文1

所属機関: 1兵庫医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.117 - P.120

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要約 85歳,男性.初診1か月前より背部,両手首に自覚症状を欠く浸潤性紅斑が出現.頸部,両上肢伸側,両足背にも拡大したため,当科を受診.背部からの皮膚生検で真皮上層に好中球主体の稠密な細胞浸潤と核破砕像を伴い,周囲には膠原線維の増生を認めた.以上より,持久性隆起性紅斑と診断した.高齢であり,貧血,腎機能障害の合併を考慮し,ニコチン酸アミド200mg/日の投与を行った.投与2か月後より浸潤性紅斑は徐々に消退し,8か月後には色素沈着のみとなった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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