臨床皮膚科64巻2号

2010年02月発行

症例報告

全身性エリテマトーデスに合併したAchenbach症候群の1例

著者： 梶原一亨¹ 市原麻子¹ 肥後順子¹ 木藤正人¹ 尹浩信²

所属機関： ¹熊本市立熊本市民病院皮膚科 ²熊本大学大学院医学薬学研究部皮膚機能病態学形成外科学

ページ範囲：P.129 - P.131

要約　46歳，女性．2000年10月よりSLEにて当院加療中であった．2006年11月に左第2指に疼痛を自覚し，同部位に紫斑を認めたために当院を受診された．左第2指基節部の手背側に浸潤を伴う大豆大の紫斑を認めた．また，問診にて2004年の冬にも同様の症状を確認した．検査にてヘモグラムや血液凝固機能に著変なく，SLEの増悪も認めなかった．上記臨床経過，検査所見より，Achenbach症候群と診断した．経過観察にて皮疹は消退した．SLEに合併した本症例を記載するとともに，病因に関して若干の考察を加えて報告する．

参考文献

1) Layton AM, Cotterill JA: Clin Exp Dermatol 18: 60, 1993

2) 永田貴久, 木藤正人: 皮膚臨床 48: 1567, 2006

3) Achenbach W: Medizinische 52: 2138, 1958

4) Singer R: Wien klin Wochenschr 74: 741, 1962

5) Deliss LJ, Wilson JN: J Bone Joint Surg 64: 458, 1982

6) Khaira HS, et al: Ann R Coll Surg Engl 83: 154, 2001

7) Burrows NP, Lovell CR: Textbook of Dermatology, 7th ed, vol 1, Rook A(ed), Blackwell, 46.5, 2004

8) 岩本　孝, 他: 西日皮膚 67: 566, 2005