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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻2号

2010年02月発行

文献概要

症例報告

腫瘍随伴性血栓性血小板減少性紫斑病を合併した乳房外Paget病の1例

著者: 澁谷貴史1 藤井瑞恵1 上原治朗1 高橋一朗1 伊藤康裕1 山本明美1 飯塚一1

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.157 - P.160

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要約 70歳,男性.2003年9月,乳房外Paget病(pT2N0M0 Stage II)の診断で拡大切除術を施行した.2007年2月に左鼠径リンパ節転移を認め,左鼠径・骨盤内リンパ節郭清術を行った.その後も両側鼠径リンパ節転移,それによるパンツ型皮膚浸潤や多発性骨転移が出現し,2008年5月再入院した.入院後,著明な進行性の貧血と軽度の血小板減少,動揺性意識障害,腎障害,発熱を認め,TTPと診断した.ADAMTS13活性は69%と軽度に低下していたが,特異抗体は出現していなかった.腫瘍随伴性TTPは乳房外Paget病の稀な合併症と考えられるが,急速な貧血と血小板減少が現れた場合は,念頭に置くべき病態と思われる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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