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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻3号

2010年03月発行

文献概要

症例報告

血球貪食症候群を合併した抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体症候群の1例

著者: 斎藤佑希1 長谷川稔1 折戸秀光1 藤本学1 大畑欣也2 山崎雅英2 谷内江昭宏3 竹原和彦1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学 2金沢大学大学院医学系研究科細胞移植学 3金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻病態検査学講座

ページ範囲:P.190 - P.194

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要約 30歳,女性.17歳時に発熱,皮疹,筋肉痛,CK上昇から皮膚筋炎と診断された.プレドニゾロン(PSL)60mg/日内服にて軽快し,以後漸減されていた.25歳時,当科にて免疫沈降法を施行したところ,抗EJ抗体陽性が明らかとなり,抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体症候群と診断した.PSL14mg/日の時点で再燃がみられ,30mg/日への増量とシクロスポリン160mg/日を開始したが,治療抵抗性であった.骨髄生検で貪食像を認め,血球貪食症候群(HPS)の合併と診断した.ステロイドパルス療法を行うも軽快せず,シクロホスファミドパルス療法とγグロブリン大量静注療法を追加して,HPSは治癒した.抗ARS抗体症候群の病勢悪化に伴ってHPSが生じた稀な症例と考えられた.

参考文献

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8) Targoff IN, et al: Arthritis Rheum 35: 821, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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