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症例報告
ヒドロクロロチアジド配合剤による光線過敏型薬疹の1例
著者: 谷戸克己1 上出良一1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科
ページ範囲:P.205 - P.209
文献購入ページに移動要約 69歳,男性.糖尿病,高血圧,慢性腎不全のため内服治療中.2008年3月にニューロタン®(ロサルタンカリウム)をプレミネント®(ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジド)に変更したところ,1週間後頃から前額部にそう痒を伴う皮疹が出現した.1か月後より両手背,前腕伸側,耳介,口唇,前胸V字部,項部にも皮疹が拡大し,5月に当科を受診した.好酸球6.4%,光パッチテストは陰性,プレミネント®1錠内服後のMEDは正常範囲内であった.服薬歴ならびに発疹部位よりプレミネント®中のヒドロクロロチアジドによる光線過敏型薬疹と診断した.服薬中止と遮光で軽快したが,6週間後に白斑黒皮症を生じた.チアジド系の降圧利尿薬による光線過敏型薬疹は古くより知られているが,使用頻度の低下とともに稀となった.しかし最近,チアジド系降圧利尿薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の配合剤が相次いで発売され,チアジド系薬剤による光線過敏型薬疹が再び多発する懸念がある.
参考文献
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