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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻3号

2010年03月発行

文献概要

症例報告

脳腱黄色腫症の1例

著者: 杉山紘子1 森下佳子1 角南勝利2 門田弘明2

所属機関: 1公立学校共済組合中国中央病院皮膚科 2公立学校共済組合中国中央病院整形外科

ページ範囲:P.217 - P.220

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要約 34歳,男性.10歳台から関節を中心とした四肢および腱に皮下腫瘤が出現した.徐々に数が増加し,個々の腫瘤も大きくなった.肘関節のクルミ大皮下腫瘤を切除し,病理組織より結節性黄色腫と診断した.初診時の血清では,中性脂肪,総コレステロールは正常値ないし軽度上昇,血清コレスタノールは13.6μg/mlで大幅に上昇,血清シトステロールは1.6μg/mlで軽度に上昇していた.脳神経症状はなく,頭部MRIでも異常を認めなかった.しかし,臨床症状とコレスタノール高値から脳腱黄色腫症と考え,ケノデオキシコール酸とHMG-CoA還元酵素阻害薬の内服治療を開始した.多発する皮下腫瘤で大きく生活に支障をきたすものは,手術で切除をした.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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