icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻3号

2010年03月発行

文献概要

症例報告

疣状の外観を呈した乳輪下膿瘍の1例

著者: 国本佳代1 西山瑞穂1 上中智香子1 貴志知生1 山本有紀1 古川福実1 高木正2

所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科学教室 2住友病院形成外科

ページ範囲:P.225 - P.227

文献購入ページに移動
要約 27歳,女性.2006年6月初旬頃より右乳輪皮下に米粒大の腫瘤が出現した.近医で内服抗菌薬で加療されたが改善傾向なく,徐々に増大し,乳頭全体が疣贅状となった.他院での生検にて乳頭腫と診断され,当科を紹介された.乳頭はつぼみ状の腫瘤となり,内腔には角質様物質が充満していた.陥没乳頭の既往があり,左側も軽度の陥没乳頭を認めた.右乳頭の温存は不可能と考え,全切除術を施行した.術中,切断された乳管より黄色の膿汁分泌を認めた.切除病理標本では異型性の乏しい扁平上皮の乳頭状増殖を認め,乳管の一部は扁平上皮化生を示していた.病理組織所見および陥没乳頭の既往より乳輪下膿瘍と診断し,感染を伴ったことにより乳頭が疣状の外観を呈したと考えた.

参考文献

1) Habif DV, et al: Am J Surg 119: 523 1970
2) Schafer P, et al: Int J Epidemiol 17: 810, 1988
3) Bundred NJ: Breast 7: 179, 1998
4) Bundred NJ: Breast 2: 1, 1993
5) 池田宣子, 他: 日臨外会誌 65: 1463, 2004
6) 緒方晴樹, 他: 手術 57: 901, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?