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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻3号

2010年03月発行

文献概要

症例報告

アシクロビルによる急性腎不全と脳症を生じた正常腎機能者の帯状疱疹

著者: 光井千慧1 速水淳史1 岡本祐之1

所属機関: 1関西医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.228 - P.230

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要約 63歳,男性.高尿酸血症と高脂血症にて加療中.初診の4日前より右側腹部に疼痛と皮疹が生じ,当科を紹介受診した.右Th10領域の帯状疱疹と診断し,正常腎機能であったため,常用量のバラシクロビルを2日間投与した.また,紹介医でアシクロビル(ACV)の点滴を1回受けた.その後,入院にてACVの点滴を行ったが,翌日に急性腎不全となり,それに伴うACV脳症を生じた.ユリノーム®などの常用薬や神経痛に対するロキソプロフェンNaを含むすべての薬剤を中止し,入院5日目には脳症は軽快し,腎機能も徐々に回復した.腎機能正常者においても,抗ウイルス薬投与時には,脱水やユリノーム®やロキソプロフェンNaなどの腎排泄性薬剤の併用が急性腎不全を引き起こす可能性がある.

参考文献

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7) Rashiq S, et al: J Intern Med 234: 507, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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