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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻3号

2010年03月発行

症例報告

側頭筋下より頭蓋内に及んだ皮様囊腫の1例

著者: 黒岡定浩1 渡邉奈津子1 加藤敦子1

所属機関: 1大阪回生病院皮膚科

ページ範囲:P.231 - P.234

文献概要

要約 47歳,男性.約10年前より気づいた左側頭部の約5cm大の皮下腫瘤を主訴に受診した.腫瘤はMRI上,T1,T2ともに強調像を示し側頭筋下から頭蓋内に及んでいた.生検時には腫瘍内部より毛髪の排出を認め,病理組織所見では悪性所見はなく,線維化した肉芽組織を認めた.臨床経過とあわせて皮様囊腫と考え全摘出術を施行した.腫瘤は側頭筋下に存在し,側頭骨と頰骨の一部を融解し頭蓋内に及び,硬膜に接する形で存在していた.硬膜との癒着は軽度で容易に剝離可能であったため,硬膜は温存できた.頭蓋骨が欠損した硬膜露出部分のみ腸骨移植を行った.全摘した腫瘤の病理組織学的所見では,化膿性炎症を伴う肉芽組織が中心で悪性細胞は認めず,皮様囊腫と診断した.

参考文献

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2) 伊藤康裕, 他: 臨皮 60: 1234, 2006
3) 田中 聡, 他: 形成外科 43: 1133: 2000
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6) 伊藤嘉恭, 他: 臨皮 41: 79, 1983
7) 船曳雄一, 他: 臨皮 36: 129, 1982

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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