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症例報告
G群溶連菌感染を伴った大陰唇に発生した巨大懸垂性線維腫の1例
著者: 平井伸幸1 田村政昭1
所属機関: 1伊勢崎市民病院皮膚科
ページ範囲:P.235 - P.238
文献購入ページに移動要約 46歳,女性.39℃前後の発熱と左大陰唇の発赤,腫脹,疼痛を伴った腫瘤を主訴に当院を受診した.9.5×7.0×7.0cmの表面にびらん,膿苔を付す弾性軟な懸垂性結節がみられ,巨大懸垂性線維腫の細菌感染と診断し,緊急で切除術を施行した.術後の経過は良好で第5病日に退院した.皮膚病理所見では異型細胞はみられず,真皮内の膠原線維は浮腫状で小血管の増生,著明な炎症細胞浸潤がみられた.膿からの培養ではG群溶連菌が検出され,高熱,悪寒,戦慄などの全身症状より,G群溶連菌感染症と考えられた.外陰部に生じた巨大な懸垂性線維腫は比較的稀であり,二次感染を生じて緊急手術を要した例は,検索しえた限り過去に報告例はなかった.
参考文献
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