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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻3号

2010年03月発行

文献概要

症例報告

成人女性の右大腿に発生した巨細胞性線維芽細胞腫の1例

著者: 西田睦美1 森安麻美1 浅井純1 竹中秀也1 岸本三郎1 中村えり子2

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学 2中村皮ふ科医院

ページ範囲:P.239 - P.242

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要約 27歳,女性.1~2年前に右大腿外側に結節が出現し,徐々に増大した.初診時,右大腿外側に直径7mm大,紅色弾性軟半球状結節がみられた.病理組織学的所見で,真皮から皮下脂肪組織にかけて紡錘形の腫瘍細胞が束状に配列し,一部に多核巨細胞を認めた.以上より,巨細胞性線維芽細胞腫(giant cell fibroblastoma:GCF)と診断し,拡大切除術を施行した.術後12か月現在,腫瘍の再発や転移はない.GCFは再発頻度の高い腫瘍であり,慎重に経過観察していく必要がある.一般にGCFは主に小児に発症し,成人発症は稀な疾患であるが,成人でもGCFが発症することを念頭に置いて診断する必要があると考える.

参考文献

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6) Beham A, et al: Histopathology 17: 165, 1990
7) Simon MP, et al: Nat Genet 15: 95, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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