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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻4号

2010年04月発行

文献概要

症例報告

Toxic shock syndromeの3例

著者: 齋藤奈央1 加藤直子1 阿部由紀子2 渡邊英里香1 村田純子1 清水宏2 重茂克彦3

所属機関: 1北海道がんセンター皮膚科 2北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野 3岩手大学農学部獣医学課程食品安全学

ページ範囲:P.278 - P.282

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要約 Toxic shock syndrome(TSS)は,黄色ブドウ球菌が産生する外毒素エンテロトキシン(SE)がスーパー抗原として作用し,惹起される重篤な全身性感染症である.急激な発熱,血圧低下,びまん性の紅斑などで発症し,多臓器不全に進展することがある.今回われわれは,TSSの3例を報告する.症例1:63歳,女性.20年来の関節リウマチがあり,副腎皮質ステロイドホルモン剤を内服していた.齲歯の抜歯4日後に発症した.症例2:28歳,女性.産褥6日目に子宮内容清掃術を施行し,その3日後に発症した.症例3:79歳,女性.左乳癌の手術後8日目に発症した.原因菌として,症例1,2ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が,症例3ではメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出された.症例2,3で黄色ブドウ球菌のSE genotypeを同定し,症例2は典型的な院内感染型のMRSAであることが判明した.

参考文献

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9) Hassan Z, et al: Microbiol Immunol 51: 171, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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