臨床皮膚科64巻4号

2010年04月発行

症例報告

手掌の有痛性皮下結節を契機に診断した原発性抗リン脂質抗体症候群の1例

著者： 三宅智子¹ 徳山弥生¹ 妹尾明美¹ 高石篤志² 宮谷克也³

所属機関： ¹三豊総合病院皮膚科 ²三豊総合病院循環器内科 ³三豊総合病院病理学

ページ範囲：P.291 - P.293

要約　64歳，女性．2001年より原因不明の心臓収縮能障害にて，低用量バイアスピリン^®を内服中であった．2008年8月に突然左手掌に有痛性の皮下結節が出現し，生検の結果，真皮静脈・毛細血管内に血栓があった．血液学的検査にて，6週間の間隔をあけて抗カルジオリピン抗体2回陽性を認め，原発性抗リン脂質抗体症候群(APS)と診断した．皮疹を契機に診断に至った貴重な症例として報告する．

参考文献

1) Frances C, et, al: Arthritis Rheum 52: 1785, 2005

2) 増澤真美子, 増澤幹夫: MB Derma 110: 71, 2006

3) 増井友里, 他: 臨皮 51: 143, 2009

4) Cervera R, et al: Arthritis Rheum 46: 1019, 2002

5) Tincani A, et al: Rheumatology 45: 8, 2006