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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻4号

2010年04月発行

文献概要

症例報告

紅斑性天疱瘡を合併した全身性強皮症の2例

著者: 新見佳保里1 長谷川道子1 曽我部陽子1 永井弥生1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学

ページ範囲:P.295 - P.298

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要約 症例1:67歳,女性.1991年,全身性強皮症limited typeと診断され,1999年よりプレドニゾロン(PSL)4mg/日内服を継続していた.2001年より紅斑,水疱が軀幹,四肢に出現した.症例2:55歳,女性.2005年,全身性強皮症limited typeと診断された.2007年1月頃より軀幹に紅斑,水疱が出現した.2例とも抗デスモグレイン(Dsg)1抗体陽性,抗Dsg3抗体陰性であり,組織学的所見,蛍光抗体所見,免疫組織化学所見とあわせて,紅斑性天疱瘡の合併と診断した.症例1はPSL40mg/日を投与し,症例2はD-ペニシラミンによる薬剤誘発性天疱瘡を疑い,内服を中止し,PSL60mg/日に増量し,軽快した.強皮症と天疱瘡合併例では薬剤の関与が問題となることが多い.しかし,薬剤中止後も難治な場合には,個々の症例に応じた治療の選択が求められる.

参考文献

1) 定本靖司, 他: 臨皮 41: 61, 1999
2) 慶田朋子, 他: 臨皮 55: 707, 2001
3) 多喜博文, 他: 中部リウマチ 34: 10, 2003
4) 水谷陽子, 他: 臨皮 61: 425, 2007
5) 田中俊宏: 医学のあゆみ 220: 894, 2007
6) 藤本 亘: 最新皮膚科学大系, 第6巻, 中山書店, p60, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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