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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻4号

2010年04月発行

文献概要

症例報告

左鼠径部に生じた後天性囊胞状リンパ管腫の1例

著者: 西本和代1 舩越建1 橋本玲奈1 齋藤昌孝1 谷川瑛子1 大山学1 石河晃1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.315 - P.318

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要約 44歳,男性.左鼠径部に生じた胡桃大の皮下結節が急速に増大した.初診時,左鼠径部に径6cm大の皮下腫瘤を認め,CTでは皮下に限局し,周囲との境界が明瞭な囊腫を認めた.全身麻酔下に切除し,術中にリンパ液様の囊胞内容液を認めた.病理組織学的には,複数の囊胞を有する結節性の病変で,囊胞壁はD2-40染色で陽性であった.腫瘤内容液の所見と病理組織学的所見から囊胞状リンパ管腫と診断した.囊胞状リンパ管腫は,通常は頸部・腋窩に生下時から2歳までに発症するが,成人発症はきわめて稀である.その成因は不明だが,組織学的に多彩な炎症細胞浸潤,線維化を伴う肉芽腫を認め,顕症化に炎症が関与していたことが示唆された.

参考文献

1) 荻田修平: 小児外科 34: 125, 2002
2) Sherman BE, et al: Am J Otolaryngol 22: 206, 2001
3) Michail O, et al: South Med J 100: 845, 2007
4) Kennedy TL, et al: Laryngoscope 111: 1929, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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