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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻4号

2010年04月発行

文献概要

症例報告

皮膚症状がきっかけとなり診断に至った多発性骨髄腫

著者: 藤沢智美1 清島真理子1 淺野剛之2 安田貴彦3 小杉浩史3

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚病態学教室 2松波総合病院内科 3大垣市民病院血液内科

ページ範囲:P.323 - P.327

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要約 37歳,女性.下肢の紅斑が急速に拡大し,同時に顔面と上肢に浮腫と紅斑,下肢に浮腫と紫斑が出現し,歩行困難を訴えた.皮疹の組織像は,血管周囲の炎症細胞浸潤と赤血球の血管外漏出であった.末梢血検査で血清総蛋白11.4g/dl,IgG6,585mg/dl.血清蛋白分画でγグロブリンにピークがあり,免疫電気泳動でIgG-λ型M蛋白が検出された.骨髄穿刺で形質細胞が33.6%を占め,多発性骨髄腫と診断した.画像所見で第2腰椎レベルの脊柱管内と右下葉傍椎体に腫瘤影がみられ,髄外病変と考えた.化学療法後に自己造血幹細胞移植を行い,髄外腫瘍も消失し,経過良好である.

参考文献

1) 玉置邦彦, 編: 最新皮膚科学大系 第4巻, 中山書店, p81, 2003
2) 福井次矢, 黒川 清(編): ハリソン内科学, 第2版, メディカル・サイエンス・インターナショナル, p687, 2006
3) 戸川 敦: 日医会誌(特別号) 124: 222, 2000
4) Matsuda T, et al: Jpn J Clin Oncol 38: 641, 2008
5) 張 高明: 医薬ジャーナル 44: 81, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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