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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010

2. 皮膚疾患の病態

類天疱瘡―水疱形成の病態

著者: 北島康雄1

所属機関: 1社会医療法人厚生会木沢記念病院

ページ範囲:P.56 - P.61

文献概要

要約 水疱性類天疱瘡は基底細胞の表皮真皮接着構造であるヘミデスモソーム(HD)構成分子BP180に対する抗体によって生じる自己免疫性水疱症である.抗体がHDに結合し,その場で活性化された補体依存性炎症反応による蛋白分解酵素によってHD が消化され表皮下水疱が形成されると一般的に考えられている.一方,基底細胞表面にはHDに組み込まれる前のフリーのBP180がプールされており,これに抗体が結合しBP180が細胞内に取り込まれ,その結果,HDの構成分子α6およびβ4インテグリン,BP180 のうちBP180のみが著減し,細胞接着力が減少することが2009年報告された.以上から,弱体化したHDが他の真皮表皮境界部分より補体活性化による炎症性蛋白分解酵素に感受性が高くなり,消化され,透明帯で裂隙ができると考えられる.すなわち,BP180含有量減少が疾患特異性(透明帯での裂隙)を,補体活性化・炎症が水疱形成を担っていると言える.この考えは広く認められつつある.

参考文献

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5) Iwata H, et al: J Invest Dermatol129: 919, 2009
6) Kitajima Y, et al: Dermatology189(Suppl 1): 49, 1994
7) Kitajima Y, et al: Br J Dermatol138: 71, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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