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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 2. 皮膚疾患の病態

食物アレルギーの診療の手引き2008

著者: 海老澤元宏1

所属機関: 1国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部

ページ範囲:P.64 - P.68

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要約 小児の食物アレルギーの大多数は乳児アトピー性皮膚炎として発症する.乳児の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎が合併していることが多い事実は疑う余地はないが,食物アレルギーにより湿疹が誘発されるかに関しては,日本だけではなく世界的にも皮膚科医と小児アレルギー専門医の間で議論がある.厚生労働科学研究班において作成された「食物アレルギーの診断の手引き2005(改訂版2008)」で皮膚科医と小児科医が討議して,それらを「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」と呼ぶことにし,対応方法を示したことは画期的なことであった.生後3か月以内にそう痒の強い顔面の湿疹として発症し,アトピー性皮膚炎への対応(スキンケアとステロイド外用療法)で改善しないケースや繰り返す場合に原因食物の関与を調べる必要がある.診断は乳児でも皮膚テストやIgE CAP RASTを参考にしたうえで食物除去試験・負荷試験(経母乳も含む)により行う.多抗原に感作が成立している例では専門施設に早期に紹介すべきである.

参考文献

1) 厚生労働科学研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2005」厚生労働科学研究費補助金, 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業, 「食物等によるアナフィラキシー反応の原因物質の確定, 予防・予知法の確立に関する研究」(主任研究者:海老澤元宏), 2005
2) 海老澤元宏:アレルギー55:107, 2006
3) 厚生労働科学研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2008」厚生労働科学研究費補助金,免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業, 「アレルギー性疾患の発症・進展・重症化の予防に関する研究」(主任研究者:海老澤元宏), 2008
4) Ebisawa M:Allergol Int58:475, 2009
5) 池松かおり, 他:アレルギー55:140, 2006
6) 井口正道, 他:日児誌110:1534, 2006
7) 池松かおり, 他:アレルギー55:533, 2006
8) 井口正道, 他:日児誌110:1540, 2006
9) 今井孝成, 他:アレルギー52:1006, 2003
10) 相原雄幸:アレルギー56:451, 2007
11) 杉井京子, 他:アレルギー55:1400, 2006
12) Sampson HA:J Allergy Clin Immunol107:891, 2001
13) Komata T, et al:J Allergy Clin Immunol119:1272, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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