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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 3. 新しい検査法と診断法

LAMP法によるウイルス性皮膚疾患の診断

著者: 松尾光馬1 伊東秀記1 本田まりこ2 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2東京慈恵会医科大学皮膚科青戸病院

ページ範囲:P.70 - P.74

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要約 LAMP (loop-mediated isothermal amplification)法は遺伝子増幅法の1つであり,6領域を認識するプライマーを用いるため特異性が非常に高いこと,鎖置換型DNAポリメラーゼを用いた増幅反応であり,60~65℃の等温で反応が進むこと,増幅産物が多いため増幅の有無を目視下でも確認可能なことが特徴である.皮膚科領域のウイルス性疾患においてはキットの作製はなされていないものの,研究室レベルでの検討は行われてきている.外来診療の場では典型的でない皮疹を呈する帯状疱疹と単純疱疹などを早急に鑑別し,治療を開始したい場合も時にみられる.ヘルペスウイルスのウイルス抗原を検出するモノクローナル抗体の検出率が低いことを考えると,今後,迅速診断法の一手段としてこのような簡単な方法が普及することが望まれる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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