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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 3. 新しい検査法と診断法

掌蹠の悪性黒色腫の早期検出―ダーモスコピーを用いた3段階アルゴリズム

著者: 斎田俊明1 古賀弘志1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.76 - P.81

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要約 掌蹠,特に足底は日本人における悪性黒色腫の最好発部位である.この部位には良性の色素細胞母斑もかなり頻繁に認められるので,掌蹠に黒褐色斑を認めた場合,それが単なる良性の母斑か,悪性黒色腫の早期病変かを的確に判別しなければならない.筆者らは,かつて最大径7mm超の掌蹠の色素斑は生検して,組織学的に検討すべきであるとする「7mm基準」を提案した.その後,ダーモスコピーを導入し,掌蹠の母斑と悪性黒色腫早期病変がそれぞれ,きわめて特徴的な所見を呈することを見出した.そこで,これらダーモスコピーでの知見と「7mm基準」を組み合わせて,掌蹠の悪性黒色腫を早期段階で検出するための「3段階アルゴリズム」を提案した.本稿では,本アルゴリズム作成までの経緯とその適用法の実際を記載する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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