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特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 3. 新しい検査法と診断法
Intravascular large B-cell lymphomaのランダム皮膚生検による診断
著者: 玉木毅1
所属機関: 1国立国際医療センター戸山病院皮膚科
ページ範囲:P.86 - P.89
文献購入ページに移動要約 Intravascular large B-cell lymphoma (IVLBCL)は,リンパ腫細胞が小血管内のみに存在することを特徴とする稀なリンパ腫である.多彩な症状を呈するため診断が困難であることも多く,予後不良とされる.本邦を中心とした東アジアのIVLBCLはAsian variantという亜型としてとらえられ,血球貪食症候群・骨髄病変などが多く,皮膚病変が少ないとされる.近年,無疹部をランダムに皮膚生検(ランダム皮膚生検)することの有用性が報告され,ランダム皮膚生検による確診例の報告が散見されるようになっている.今後,ランダム皮膚生検によるIVLBCLの早期診断例が増加することにより早期の治療開始が可能となり,本症の予後が改善することが期待される.また皮膚科医側も,最適な生検部位・生検方法・部位数・特異的皮膚症状などにつき検討していく必要がある.
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