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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 4. 皮膚疾患治療のポイント

重症薬疹Stevens-Johnson症候群ならびに中毒性表皮壊死融解症の眼病変

著者: 上田真由美1 外園千恵1

所属機関: 1京都府立医科大学眼科

ページ範囲:P.94 - P.98

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要約 Stevens-Johnson症候群ならびにその重症型とされる中毒性表皮壊死融解症は,皮膚病変に加えて全身の粘膜に水疱やびらんを生じる.SJS/TENは生命を脅かすのみでなく,高度の視力障害と重症ドライアイが後遺症となりうる.急性期の全身状態が重篤であるほど眼には関心がいきにくいが,急性期の治療が眼科的後遺症を左右するため,発症初期より適切な眼科治療を行うことが重要である.眼合併症を伴う患者では,①8割が皮疹の出る前に感冒様症状を自覚していること,②眼表面がMRSA/MRSEに易感染性であること,③常在細菌が存在する眼表面に炎症が持続すること,より発症や病態に自然免疫異常が関与する可能性があると考えられる.病態が明らかになれば視覚障害を招かないための治療,さらには発症しないための予防が可能になるかもしれない.

参考文献

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13) Ueta M, et al: Mol Vis14: 550, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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