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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010

4. 皮膚疾患治療のポイント

抗ヒスタミン薬のPK/PD,薬物構造をふまえた使い分け

著者: 森田栄伸1

所属機関: 1島根大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.100 - P.103

文献概要

要約 抗ヒスタミン薬はその特性から第1世代,第2世代,第3世代に分類されるが,使用に際しては抗ヒスタミン作用が強く,かつ中枢抑制作用が弱い第3世代を第一選択とするほうがよい.第3世代にはエピナスチン,セチリジン,オロパタジン,フェキソフェナジン,ベポタスチン,エバスチン,ロラタジンの7製剤が含まれるが,これらの製剤はPK/PDの観点から,最高血中濃度到達時間(Tmax)が短く即効性が期待できるベポタスチン,フェキソフェナジン,オロパタジン,セチリジン,エピナスチンと,Tmaxの長いエバスチン,ロラタジンに分けられる.また,構造式の観点から,三環系構造のエピナスチン,オロパタジン,ロラタジンと,ピペリジン/ピペラジン骨格を有すフェキソフェナジン,エバスチン,セチリジン,ベポタスチンに分類される.臨床使用に際してはこうした観点を考慮した薬剤選択により有効性を高めることができる.

参考文献

1) 古江増隆, 他:日皮会誌119: 1515, 2009
2) Yanai K, Tashiro M: Pharmacol Ther113: 1, 2007
3) 森田栄伸:皮膚診療31: 105, 2009
4) 秀 道広, 他:日皮会誌115: 703, 2005
5) ジルテック錠添付文書
6) Kameyoshi Y, et al: Br J Dermatol157: 803, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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