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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 4. 皮膚疾患治療のポイント

透析のかゆみに対する新しい治療

著者: 高森建二1 熊谷裕生2

所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院 2防衛医科大学腎臓内科

ページ範囲:P.104 - P.107

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要約 かゆみには抗ヒスタミン薬が奏効するかゆみと抗ヒスタミン薬に抵抗するかゆみがある.透析に伴うかゆみは後者の例で,かゆみ発現にオピオイド系の関与する中枢性かゆみ機序が作動していることが明らかになり,制御法も明らかになった.本症ではμ-オピオイド系(β-エンドルフィン/μ-レセプター)がκ-オピオイド系(ダイノルフィン/κ-レセプター)より優位になっているためにかゆみが生じており,κ-オピオイド系を優位にすることによりかゆみが抑制される.この考え方により開発されたのが新規かゆみ治療薬であるナルフィラフィン(レミッチ®)である.従来の治療法に抵抗する,かゆみを呈する維持透析患者に1日1回内服投与することにより,ほとんど全例においてかゆみが抑制され,患者のQOLが著しく改善されている.本稿では透析に伴うかゆみの発現メカニズムと新規薬剤について解説した.

参考文献

1) 高森建二, 熊谷裕生:感染・炎症・免疫38: 362, 2008
2) 大森健太郎, 他:日本透析会誌34 :1469, 2001
3) 熊谷裕生, 他:Prog Med27: 1793, 2007
4) Kumagai H, et al: Nephrol Dial Transplant 2009, 1 of 7 doi:10. 1093/ndt/gfd 588

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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