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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010

4. 皮膚疾患治療のポイント

Fabry病の酵素補充療法

著者: 今村和子1 安元慎一郎1 橋本隆1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.121 - P.124

文献概要

要約 Fabry病は,X染色体上のα-galactosidase Aの遺伝子の変異により,リソソーム内加水分解酵素α-galactosidase Aの活性が低下し,globotriasylceramide(GL-3)などのスフィンゴ糖脂質が全身の種々の臓器に蓄積されるために,四肢末端痛,被角血管腫,脳血管障害,心障害,腎不全などの症状を呈する難病である.近年,本症の病因である欠損酵素のα-galactosidase Aの酵素補充療法が可能になり,本邦でも2004年にアガルシダーゼβ(ファブラザイム®)が,2007年にはアガルシダーゼα(リプレガル®)が承認され使用されている.治療の早期開始は主要臓器障害進行の抑制に重要であると報告されており,その安全性と有効性は確立されつつあるが,治療効果の長期予後に及ぼす影響についてのevidenceはなく,今後のデータの蓄積が待たれる.

参考文献

1) Anderson W: Br J Dermatol10: 113, 1898
2) Fabry J: Arch Dermatol Syph Band43: 187, 1898
3) Uyama E, et al: Brain Nerve60: 1235, 2008
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5) 衛藤義勝:神経内科62: 44, 2005
6) Wang RY, et al: Genet Med9: 34, 2007
7) Deegan PB, et al: J Med Genet43: 347, 2006
8) Dobyns WB, et al: Am J Med Genet129: 136, 2004
9) Germain DP et al: J Am Soc Nephrol18: 1547, 2007
10) Whybra C, et al: Genet Med.11: 441, 2009
11) Utsumi K, et al: J Neurol Sci.15: 283, 2009
12) 金田眞理, 他:日皮会誌117: 809, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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