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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 4. 皮膚疾患治療のポイント

リベド血管障害のワーファリン®療法

著者: 川上民裕1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.126 - P.132

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要約 “リベド血管障害”を網状皮斑(リベド)といわれる特徴的皮膚症状を主座とする一連の疾患群とすると,リベド血管症や,組織にて壊死性血管炎像が確認された場合は皮膚型結節性多発動脈炎が相当する.ワーファリン®は,血液凝固反応カスケード中の第Ⅱ(プロトロンビン),Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子,プロテインC,プロテインSの生成を抑制し,血液の凝固を強力に抑える.この抗凝固作用は,“リベド血管障害”の皮膚症状,随伴した末梢神経症状などに奏効する.ワーファリン®は,プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)値の測定で管理し,たいてい2~4mg/日から開始し,導入期はPT-INR値3以上でその効果を確認しながら,症状が安定してからPT-INR値2~3を意識して投与している.ワーファリン®使用での注意事項や,病因として絡んでいる抗リン脂質抗体に関しても言及した.

参考文献

1) Kawakami T, et al: Arthritis Rheum57: 1507, 2007
2) 川上民裕:日皮会誌119: 13, 2009
3) Khamashta MA, et al: N Engl J Med332: 993, 1995
4) Rosove MH, Brewer PM: Ann Intern Med117: 303, 1992
5) Derksen RH, et al: Ann Rheum Dis52: 689, 1993
6) Schulman S, et al: Am J Med104: 332, 1998
7) Ginsberg JS, et al: Blood86: 3685, 1995
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9) Lim W, et al: JAMA295: 1050, 2006
10) Crowther MA, et al. N Engl J Med349: 1133, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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