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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 5. 皮膚科医のための臨床トピックス

微小面皰とは

著者: 林伸和1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科

ページ範囲:P.154 - P.156

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要約 痤瘡は,面皰(閉鎖面皰,開放面皰)から炎症性皮疹(紅色丘疹・膿疱)へと進展し,さらに囊腫・硬結を生じて瘢痕を残すこともある毛包脂腺系の慢性炎症性疾患である.微小面皰とは,痤瘡の皮疹のまわりの一見正常な皮膚に見える部位を生検して得られる病理組織学的な面皰様の構造のことで,面皰の前駆的な変化と考えられている.面皰あるいは微小面皰に対する治療は,炎症性皮疹や瘢痕を予防するための重要なポイントとなっている.2008年にアダパレンが承認されて,日本でも面皰に対する保険適応のある外用療法が可能になった.痤瘡に対して効果的な治療を行うためには,面皰あるいは微小面皰を意識して,①アダパレンを痤瘡の症状のある周囲も含めて面で外用すること,②抗菌薬とアダパレンを併用して,炎症性皮疹だけでなくその原発疹である面皰や微小面皰も治療すること,③炎症性皮疹軽快後にも維持療法としてアダパレンを継続すること,が必要である.

参考文献

1) Do TT, et al: J Am Acad Dermatol58: 603, 2008
2) Pierard GE, et al: Dermatology190: 99, 1995
3) Kawashima M, et al: J Dermatol Sci49: 241, 2008
4) 林伸和, 他:日皮会誌118: 1893, 2008
5) Thielitz A, et al: JEADV21: 747, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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