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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 5. 皮膚科医のための臨床トピックス

接触皮膚炎には真皮樹状細胞のほうが重要!?

著者: 本田哲也1 椛島健治1

所属機関: 1京都大学医学部附属病院皮膚科

ページ範囲:P.162 - P.164

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要約 従来,皮膚には表皮に存在するLangerhans細胞と,真皮に存在する真皮樹状細胞の,2種類の樹状細胞の存在が知られていた.このうち,接触皮膚炎の感作を誘導するのはLangerhans細胞と考えられてきた.しかし近年,Langerhans細胞を特異的に除去したマウスモデルを使った解析が行われた結果,この概念が必ずしも正しくない可能性が示唆された.さらには,真皮樹状細胞にはLangerinの発現の有無により,2種類のサブセットが存在することが判明し,このうちLangerin陽性の真皮樹状細胞が,接触皮膚炎感作の誘導に重要である可能性が提示されている.接触皮膚炎での感作誘導に中心的役割を果たす皮膚樹状細胞は,抗原の種類,抗原の濃度などにより異なる可能性があり,今後さらなる解析が必要である.

参考文献

1) Kissenpfennig A, et al: Immunity22: 643, 2005
2) Bennett CL, et al: J Cell Biol169: 569, 2005
3) Kaplan DH, et al. Immunity23:611, 2005
4) Bursch LS, et al: J Exp Med204: 3147, 2007
5) Ginhoux F, et al: J Exp Med204: 3133, 2007
6) Poulin LF, et al: J Exp Med204: 3119, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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