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特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010 5. 皮膚科医のための臨床トピックス
フィラー,金,ヒアルロン酸によるトラブル
著者: 百束比古1
所属機関: 1日本医科大学附属病院形成外科・美容外科
ページ範囲:P.165 - P.167
文献購入ページに移動要約 近年,顔面への異物注入は,吸収性物質であるコラーゲンやヒアルロン酸,そして非吸収性物質を含むハイドロジェルなどを使用して広く行われているが,アレルギー反応,異物肉芽腫,皮膚症状などの後遺症の発現も増加している.血管内注入や炎症よる失明や組織壊死,迷走神経反射による心停止などの重篤な合併症の報告も散見されるようになった.さらに,最近流行している糸による吊上げや金線の埋め込みにおいても炎症などの後遺症がみられる.本稿では,われわれの施設を訪れた患者を中心として,合併症の実際について述べる.翻って施術医師には救命処置の習得や設備の充実などの必要性と,正しいインフォームドコンセントおよび合併症や後遺症が生じたときの責任について考えてもらいたい.
参考文献
1) 征矢野進一:日美外報28: 17, 2006
2) 土井秀明:日美外報28: 24, 2006
3) ロバート・カツヒロ クレ:日美外報31: 69, 2009
4) 西川涼子, 浅田祐司:日美外報30: 36, 2008
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