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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010

5. 皮膚科医のための臨床トピックス

オーラルセックスによる性感染症

著者: 余田敬子1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.169 - P.171

文献概要

要約 オーラルセックスによって口腔咽頭に感染,または発症する性感染症には,梅毒,HSV咽頭炎,HIV感染症,淋菌,クラミジアがある.梅毒では,第1期の無痛性の初期硬結,硬性下疳が下口唇,扁桃,舌尖にみられ,第2期の口角炎や咽頭の粘膜斑(乳白斑)は痛みや違和感を訴えることがある.HSV咽頭炎は青壮年者に多く,口唇炎,歯肉口内炎,時に性器や乳暈のヘルペスを併発する.HIV感染者における口腔咽頭病変は早期に高い頻度で生じるため診断の契機になる場合が多く,カンジダ症,口腔乾燥症,再発性アフタ,毛様白板症の順に多い.淋菌とクラミジアの咽頭感染の多くは無症候性で,性感染症の検査希望者,または性産業従業女性の定期健診で核酸増幅検査によって診断される.これらの性感染症の口腔咽頭感染に対する早期の適切な対応は性感染症蔓延対策として重要である.

参考文献

1) 荒牧 元:口腔咽頭粘膜疾患アトラス. 医学書院, p48, 2001
2) 余田敬子:口腔咽頭科14: 255, 2002
3) Yoyng EJ, et al: JAMA239: 1885, 1978
4) 余田敬子, 他:日扁桃誌32: 71, 1993
5) 余田敬子:JOHNS23: 1807, 2007
6) 小森康雄, 千葉博茂:口科誌53: 155, 2004
7) 余田敬子, 他:口腔咽頭科20: 347, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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