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Derm.2010
ガイドラインでは難しい患者
著者: 三原祥嗣1
所属機関: 1広島大学病院皮膚科
ページ範囲:P.139 - P.139
文献購入ページに移動 最近はさまざまな疾患でガイドラインが策定されている.EBM(evidence based medicine)などの客観的なデータにも裏打ちされており,また,ガイドラインに当たることで現在の標準的な治療ができるため,しっかり活用させて頂いている.しかし,時としてガイドラインだけでは難しい患者も少なからず経験する.この難しい患者には2つに大別できると思う.1つは,疾患の病勢が強く標準的な治療ではコントロールできない患者.もう1つは,標準的な治療をすれば比較的容易に病勢をコントロールできるにもかかわらず,インターネットや噂,思いこみなどの偏った情報を基に標準的な治療を拒絶して病気がコントロールできない患者.アトピー性皮膚炎におけるステロイド恐怖症などは後者の典型例だと思う.特に子供がアトピー性皮膚炎で,親が漠然とステロイド外用を拒む例などは,本当に子供のことを考えているのだろうかとも思うこともあるが,向こうも子供のことを考えて譲らない.そこでこちらは皮膚科医の威信をかけて,一生懸命説得したり脅したり(?)していたが,相手は聞く耳を持たず,結局,診療後にうつむいて診察室を出て行く,二度と来院しないなど,結果は散々で虚しさを感じながら,一方で,相性が悪かったと自分に言い聞かせることも多かった.
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