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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻5号

2010年04月発行

Derm.2010

性感染症―10代の現状

著者: 三石剛1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科

ページ範囲:P.168 - P.168

文献概要

 性感染症は,sexually transmitted diseases(STD)からsexually transmitted infections(STI)に呼称変更され,近年STIに統一されてきています.STIは周知のとおりですが,約30種類ほどの微生物が性行為により伝播し,多種類の疾患があります.クラミジア感染症,淋菌感染症,性器ヘルペス,尖圭コンジローマなどが日本で多い疾患のようです.クラミジア感染症,淋菌感染症は皮膚科学教科書にもほとんど紹介されていないため,皮膚科医としてはあまり診ることがない疾患と思われがちですが,症状がないことがあるために,見逃しやすい疾患ともいわれています.

 最近の話題としてヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)ワクチン接種の議論と同時に,日本では尖圭コンジローマはSTIであっても子宮頸癌はSTIではないという議論がされています.これらの疾患がHPV感染によって発症するにもかかわらず,STIとしての線引きがされており,困惑されている先生も少なくないと思います.日常の診療で尖圭コンジローマを診ていますと,その影にクラミジア感染症をはじめとしたSTIが潜んでいることが多々あるのが現状です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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