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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻6号

2010年05月発行

文献概要

症例報告

うつ病による活動性低下と考えられていた皮膚筋炎の1例

著者: 日野上はるな1 横谷英吏子1 米田真理1 大畑千佳1

所属機関: 1市立池田病院皮膚科

ページ範囲:P.389 - P.392

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要約 75歳,女性.2008年2月頃より顔面,両腕,背部にそう痒を伴う紅斑が出現した.紅斑は次第に全身へ拡大した.また,4月頃より活動性低下もみられていたが,うつ病や加齢によるものと考えられていた.CKは正常であったが,活動性低下の背景に筋力低下がある可能性を疑い,精査した.筋炎の所見があり,皮膚筋炎の診断基準を満たした.プレドニゾロン投与で症状は軽快した.悪性腫瘍検索では,以前より指摘されていた肝細胞癌再発巣が増大していた.高齢者では筋力低下や筋肉痛を訴えず,筋症状が見逃される可能性がある.したがって,高齢者の活動性低下の背景に筋力低下をきたす疾患の存在を疑うことが重要であると考えた.

参考文献

1) 奥田富士子, 他: 臨皮 57: 886, 2003
2) Kee SJ, et al: Rheumatol Int 29: 595, 2008
3) Apostolidis L, et al: Onkologie 32: 50, 2009
4) Toshikuni N, et al: World J Gastroenterol 12: 1641, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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