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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻6号

2010年05月発行

文献概要

症例報告

Superficial granulomatous pyodermaの1例

著者: 高塚由佳1 増田智一1 若旅功二1 藤田悦子1 山田朋子1 小宮根真弓1 村田哲1 大槻マミ太郎1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科

ページ範囲:P.393 - P.396

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要約 64歳,男性.6年前,右足外踝周囲に米粒大の潰瘍が出現した.数年の経過で下肢,体幹に母指頭大までの潰瘍が多発したが,いずれも4か月前後で上皮化し,再発を繰り返していた.初診時,最も大きな皮疹は下背部で手拳大,楕円形萎縮瘢痕で,辺縁は環状に小潰瘍が並んでいた.局面辺縁を圧迫すると,点状に排膿がみられた.組織は潰瘍と表皮の陥入,真皮内好中球性膿瘍,それを取り囲むように類上皮性肉芽腫と好酸球を混じるリンパ球,形質細胞の浸潤であった.Superficial granulomatous pyodermaと診断し,プレドニゾロン30mg/日の内服,タクロリムス軟膏の外用を開始し,約2週間で上皮化した.本疾患と壊疽性膿皮症との共通点と相違点について,文献的に検討した.

参考文献

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14) 田子 修, 他: 臨床皮膚 61: 901, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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