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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻6号

2010年05月発行

文献概要

症例報告

Clostridium tertiumによる敗血症をきたした壊死性筋膜炎の1例

著者: 佐藤有紀1 横関真由美1 月永一郎1 南崎哲史2 深澤雄一郎3 鈴木昭3

所属機関: 1KKR札幌医療センター皮膚科 2KKR札幌医療センター救急科 3KKR札幌医療センター病理診断科

ページ範囲:P.423 - P.426

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要約 68歳,男性.2型糖尿病で血糖降下薬内服中.初診17日前に両足を損傷した.その後,両足の腫脹と滲出液の増加を主訴に受診し,右足底・足趾に悪臭のある滲出液を伴う黒色壊死病変を認めた.壊死性筋膜炎から敗血症,DICを併発し,ICUにて治療を行った.局所の滲出液と静脈血からグラム陽性桿菌であるClostridium tertiumが検出された.呼吸循環管理と抗生剤投与で全身状態は改善したが,発熱と炎症反応が遷延した.感染のコントロールが不十分で患肢の温存は困難と考え,右下腿切断術を施行した.術後経過は良好であった.

参考文献

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9) 河野茂夫: 診断と治療 91: 1745, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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