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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻6号

2010年05月発行

文献概要

治療

皮膚疾患患者におけるステロイド骨粗鬆症予防的治療としてのアレンドロネート投与中の骨密度,尿中NTx値の検討

著者: 楠瀬智子1 石黒直子1 速水千佐子1 竹中祐子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.437 - P.441

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要約 2002~2005年に当科を受診し,プレドニゾロン換算で5mg/日以上,3か月以上のステロイド内服を要した患者19例(男:女=2:17)で,ステロイド骨粗鬆症の予防的治療として,アレンドロネート1日5mgを投与し,腰椎骨密度と尿中NTx値の推移を検討した.平均年齢は49.6歳で,基礎疾患として,全身性エリテマトーデス,結節性多発動脈炎,尋常性天疱瘡などがあった.治療前と比較して,治療約6か月後,約12か月後の骨密度は,変化率がおのおの2.4%,7.1%で軽度上昇を認め,尿中NTx値は変化率がおのおの-64.3%,-51.5%で著明な減少を認めた.骨密度,尿中NTx値の動態において,アレンドロネート単独投与群とそのほかのカルシウム代謝にかかわる薬剤併用群との間,および50歳以上の群と50歳未満の群との間に有意差はなかった.長期観察例では,骨密度,尿中NTx値は12か月以降も一定の値で維持され,アレンドロネートによる骨吸収に対する持続的抑制効果を反映しているものと考えた.

参考文献

1) Nawata H, et al: J Bone Miner Metab 23: 105, 2005
2) 日本骨代謝学会 骨粗鬆症診断基準検討委員会: Osteoporosis Japan 4: 643, 1996
3) 折茂 肇, 他: 日骨代謝会誌 18: 76, 2001
4) 骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用に関する指針検討委員会: Osteoporosis Japan 12: 191, 2004
5) Saag KG, et al: N Engl J Med 339: 292, 2009
6) 重信恵一, 他: 道南医学会誌 37: 320, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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