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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻7号

2010年06月発行

文献概要

症例報告

限局性多発性神経線維腫の1例

著者: 畠田優子1 松永晶江1 稲冨徹1 照井正1 馬場俊一2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野 2ばば皮ふ科医院

ページ範囲:P.489 - P.492

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要約 78歳,女性.5~6年前に出現した両下腿の多発性小結節を主訴に当科を受診した.左大腿から足背にかけて24個,右下腿には3個の弾性軟な常色小結節が多発していた.病理組織学的には,紡錘形の核と好酸性の細胞質をもつS100蛋白陽性の細胞が増殖しており,神経線維腫と診断.全身の視診にてカフェ・オ・レ斑は認められない.眼科的検査,頭部MRIでも異常所見を認めず,家系内に類症の者はいない.神経線維腫は遅発性で両下肢に限局して多発していたことから,自験例をNF1とは異なる疾患単位である限局性多発性神経線維腫と診断した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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