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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻7号

2010年06月発行

治療

抗ヒスタミン薬の予防的内服期間の違いが慢性蕁麻疹の予後に与える影響の検討

著者: 川島眞1 幸野健2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科 2日本医科大学皮膚科

ページ範囲:P.523 - P.531

文献概要

要約 慢性蕁麻疹の患者において,H1受容体拮抗薬の1つであるエバスチンを用いて,予防的内服期間を4週間,8週間,12週間の3群に無作為に割り付け,その後の12週間の対症的内服期間における経過の相違を,患者日誌をもとにした症状(かゆみ,発斑)の推移,および患者のquality of life (QOL)から調査した.その結果,エバスチンの予防的投与を12週間連続して行った群がそのほかの群より,対症的内服期間における再発率,改善維持率ともに,特に発斑において良好な影響を及ぼすことが示された.また,患者QOLはすべての群において同様の改善を認めた.本試験により,慢性蕁麻疹の治療におけるH1受容体拮抗薬の予防的内服投与を1か月で終了するよりも,より長期の2~3か月間行ったほうが有用であることが示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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