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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻7号

2010年06月発行

文献概要

臨床統計

皮膚白血病14例の予後を含めた臨床的検討

著者: 竹之内辰也1 廣瀬貴之2 今井洋介2 石黒卓朗2 張高明2 渡辺輝浩3 小川淳3 浅見恵子3 根本啓一4

所属機関: 1新潟県立がんセンター皮膚科 2新潟県立がんセンター内科 3新潟県立がんセンター小児科 4新潟県立がんセンター病理部

ページ範囲:P.533 - P.536

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要約 1998~2008年に新潟県立がんセンターにおいて経験した皮膚白血病14例につき,臨床的な特徴と予後について検討した.同期間の白血病新規患者361例における皮膚白血病発現率は3.9%,平均年齢38歳(1~71歳)であった.病型は急性骨髄性5例(骨髄単球性1,単球性2,巨核芽球性2),急性混合性2例,急性リンパ性4例,慢性骨髄性1例,慢性骨髄単球性2例であった.皮疹の性状は紅色結節・腫瘤が6例と最多であったが,非定型例として中毒疹様の播種状紅斑も1例みられた.原病再発時に皮膚浸潤を発現した10例中5例は,骨髄再発よりも以前に皮膚生検によって再発の診断が確定した.皮膚白血病発現後は10例が死亡したが(生存期間中央値6か月),4例で長期生存が得られ,いずれも原病初発時に皮膚病変を発現した例であった.白血病治療は近年大きな変遷を遂げており,皮膚白血病の予後に関する位置付けも時代に即した評価が必要である.

参考文献

1) 北嶋敏之, 島田眞路:最新皮膚科学大系第13巻, 中山書店, p338, 2002
2) Cho-Vega JH, et al: Am J Clin Pathol129: 130, 2008
3) 菊池 新, 他:日皮会誌105: 139, 1995
4) 伊藤国明, 他:臨血19: 1560, 1978
5) 西田雅喜, 他:臨血21: 1013, 1980
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8) Baer MR, et al: Cancer63: 2192, 1989
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10) Agis H, et al: Ann Hematol81: 90, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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