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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻8号

2010年07月発行

文献概要

症例報告

プレミネント®(合剤中のヒドロクロロチアジド成分)による光線過敏型薬疹の1例

著者: 影山葉月1 鈴木倫子1 谷岡書彦2 岩瀬正紀3

所属機関: 1磐田市立総合病院皮膚科 2磐田市立総合病院臨床検査科 3いわせ医院

ページ範囲:P.554 - P.558

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要約 76歳,女性.高血圧治療のためヒドロクロロチアジド成分を含むプレミネント®を約3週間内服後,露光部に掻痒を伴う浸潤性紅斑が出現した.病理組織所見では表皮真皮境界部および真皮上層にリンパ球・組織球を主体とする細胞が浸潤し,表皮内の一部に海綿状態,表皮基底層部には液状変性も認めた.光線テストではUVA領域2.5Jで陽性となり,プレミネント®による光線過敏型薬疹が疑われた.同薬剤を中止したところ,約3週間で皮疹は消失した.最新の循環器領域での高血圧治療ガイドラインにおいて,降圧薬とサイアザイド系利尿薬の併用が推奨されるようになった.その結果,サイアザイド系利尿薬成分による光線過敏型薬疹の発生が今後さらに増加すると考えられる.

参考文献

1) 古谷達孝, 他:皮膚臨床7: 589, 1965
2) 西脇宗一:皮病診療1: 13, 1980
3) 山本修二, 他:皮膚27: 222, 1985
4) 斉藤すみ, 他:皮膚臨床30: 1641, 1988
5) 日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2004, ライフサイエンス出版, p60, 2004
6) 戸倉新樹:日内会誌96: 146, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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