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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻8号

2010年07月発行

文献概要

症例報告

熱中症を契機に水疱性類天疱瘡を発症した尋常性乾癬

著者: 中野由美子1 川筋綾子1 筒井清広1

所属機関: 1石川県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.559 - P.562

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要約 80歳,男性.10年前に尋常性乾癬を発症し,ステロイドおよび活性化ビタミンD3外用,エトレチナート内服,PUVA療法で症状軽快した.以後,エトレチナート10mg/日内服中である.2007年8月に熱中症にて救急搬送され,胸部・大腿に網状の紅斑を認めた.その後,同部に弛緩性水疱,潰瘍が出現し,外用処置で治療中,緊満性水疱が全身に多数出現した.病理組織で表皮下水疱を認め,蛍光抗体間接法で表皮基底膜部にIgGが陽性,ELISA法で抗BP180抗体と抗BP230抗体が陽性で,水疱性類天疱瘡の合併と診断した.シクロスポリン150mg/日内服で水疱新生は一時軽快したが,減量時に再燃した.プレドニゾロン30mg/日内服で水疱新生は治まり,現在10mg/日内服で水疱新生はない.経過中,乾癬の増悪は認めなかった.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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