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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻8号

2010年07月発行

文献概要

症例報告

リウマチ性脈管内組織球症の1例

著者: 眞海芳史1 澤田美月1 石崎純子1 田中勝1 藤林真理子2 相羽元彦2 杉沢裕3

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科 2東京女子医科大学東医療センター病院病理科 3杉沢皮膚科

ページ範囲:P.571 - P.575

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要約 72歳,女性.15年前に関節リウマチ(RA)を発症した.サラゾスルファピリジン内服で経過良好であったが,6か月前から右肘部に運動痛,発赤,腫脹が出現し,肘窩から前腕に浸潤性紅斑と紅色丘疹が混在した.右肘関節には約15度の屈曲拘縮がみられた.血清抗シトルリン化ペプチド抗体100以上(正常値:<4.5),MRIでは関節腔内の液体貯留と周囲の浮腫性変化がみられた.病理組織学的には,真皮浅層にD2-40陽性のリンパ管拡張を認め,内腔にCD68陽性の組織球が充満し,リウマチ性脈管内組織球症(intralymphatic histiocytosis associated with rheumatoid arthritis)と診断した.RAの病勢は整形外科的には安定していたが,皮膚科から本疾患がRAに伴うものであることを情報提供し,メトトレキサート内服治療に変更したところ,症状が軽快した.

参考文献

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7) Pruim B, et al: Australas J Dermatol41: 101, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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