臨床皮膚科64巻8号

2010年07月発行

症例報告

手指に生じたBowen病の1例

著者： 中橋伸江¹ 髙栁たかね¹ 青木重威² 下島博之³ 原弘之⁴ 照井正¹

所属機関： ¹日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野 ²柴崎駅前皮膚科 ³しもじま皮膚科クリニック ⁴日本大学医学部機能形態学系生体構造医学分野

ページ範囲：P.593 - P.595

文献概要

要約　36歳，男性．約2年前より右第1指に反復性亀裂を伴う角化性局面が出現した．初診時，右第1指内側側爪郭付近に径5mmの亀裂を伴う限局性角化局面を認めたため，慢性湿疹を疑いステロイド外用療法を施行したが改善せず，疣状を呈してきた．尋常性疣贅を考え，計10回の冷凍凝固術を施行した．いったん脱落したが，再発してきたため，皮膚生検術を施行したところ，病理組織ではBowen病の診断であった．In situ hybridization法によりhuman papillomavirus (HPV) 検索をしたところ，HPV 31/33陽性であった．

参考文献

1) 安齋眞一：最新皮膚科学大系12巻, 中山書店, p46, 2002

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