icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻8号

2010年07月発行

症例報告

女性外陰部Bowen病の1例

著者: 甲田とも1 市川尚子1 松井はるか1 河原由恵1 貴志和生2 能勢由紀子3

所属機関: 1けいゆう病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部形成外科学教室 3能勢皮膚科クリニック

ページ範囲:P.597 - P.599

文献概要

要約 78歳,女性.半年前より外陰部に紅斑局面が出現し,次第に拡大,疼痛も伴うようになった.初診時,右大陰唇から腟入口部にかけて,浮腫状の紅色丘疹や色素沈着,びらんを伴う4×2cm大の光沢を有する紅斑局面を認めた.子宮頸癌は合併していなかった.病理組織像では,表皮内における細胞極性の乱れや個細胞角化,大型異型細胞の増殖と多数の核分裂像を認め,Bowen病と診断した.FAP59/64をプライマーとして用いて行ったPCR法にて,病変部よりヒト乳頭腫ウイルス(HPV)DNAが検出された.女性外陰部Bowen病では,HPVとの関連や子宮頸癌の合併が報告されており,十分な検索を要する.

参考文献

1) 磯田英華, 他:日皮会誌118: 3075, 2008
2) Queyrat L: Bull Soc Fr Dermatol Syph22: 378, 1911
3) Ikenberg H, et al: Int J Cancer32: 563, 1983
4) 三石 剛, 他:臨皮52: 65, 1998
5) Koutsky L: Am J Med102: 3, 1997
6) 佐川曜子, 他:皮膚臨床33: 279, 1993
7) 松本博子, 他:臨皮54: 277, 2000
8) 南 好美, 他:皮膚37: 472, 1995
9) 杉浦光洋, 他:皮膚臨床46: 813, 2004
10) 飯田秀之, 他:皮の科3: 42, 2004
11) 川口早苗, 他:皮膚臨床29: 207, 1987
12) Ola F, et al: J Gen Virol80: 2437, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら