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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻9号

2010年08月発行

文献概要

症例報告

若年発症の落葉状天疱瘡の2例

著者: 江川貞恵12 大谷朋之1 菊地克子1 奥山隆平1 相場節也1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学皮膚科学講座 2東北労災病院皮膚科

ページ範囲:P.646 - P.649

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要約 症例1:17歳,男性.2008年秋頃より体幹に皮疹が出現し,拡大したため,当科を受診した.ほぼ全身にびらんや鱗屑を伴う紅斑を多数認めた.病理組織所見と蛍光抗体間接法の結果,および抗デスモグレイン(Dsg)1抗体が1,788であったことより,落葉状天疱瘡(PF)と診断した.プレドニゾロン(PSL)40mg/日(0.63mg/kg/日)内服を開始し,皮疹の著明な軽快がみられた.症例2:16歳,女性.2005年8月頃より頭部,体幹,四肢に水疱やびらんを伴う紅斑が出現し,近医皮膚科で生検と蛍光抗体直接法を施行され,PFと診断された.PSL40mg/日(0.66mg/kg/日)の内服を開始され,効果が不十分であったため,ステロイドパルス療法を施行されたが,皮疹の改善傾向に乏しく,当科を紹介された.当科初診時の抗Dsg1抗体は1,760であった.PSL40mg/日(0.66mg/kg/日)とシクロスポリン(CyA)200mg/日(3.3mg/kg/日)の内服を開始し,皮疹が著明に軽快した.

参考文献

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2) Metry DW, et al: J Am Acad Dermatol46: 419, 2002
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9) 岸本和裕, 他:日皮会誌114: 2341, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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