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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻9号

2010年08月発行

文献概要

症例報告

Hidroacanthoma simplexの1例―ダーモスコピー所見を加えて

著者: 石川明子1 大松華子1 大西誉光1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.673 - P.675

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要約 74歳,女性.右下腿に径14×15mm大の軽度角化を伴う扁平隆起性の淡紅色局面がある.ダーモスコピーで乳白色から褐色調の背景をベースに大小の血疱様の房状構造がみられ,lacunas様を呈していた.病理組織像では肥厚した表皮内に,類円形でクロマチンに富んだ小型の細胞より構成された大小さまざまな胞巣を多数認め,胞巣内の一部に管腔構造を含んでいた.腫瘍細胞の一部に軽度の異型性があり,clumping cell様の多核細胞も少数散見された.異型細胞はごく一部のみで,Bowen病変化を伴ったhidroacanthoma simplexと診断した.また,当科のhidroacanthoma simplex,エクリン汗孔腫,Bowen病のダーモスコピー施行例を集計し,血管所見を比較した.

参考文献

1) 清水 宏:あたらしい皮膚科学, 中山書店, p363, 2005
2) 斎田俊明, 他:カラーアトラスDermoscopy, 金原出版, p121, 2003
3) 岸 晶子, 他:皮膚臨床50: 1437, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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