文献詳細
症例報告
文献概要
要約 25歳,男性.初診4か月前より左鼠径部に急速に増大する腫瘤を主訴に当科を受診した.初診時左鼠径部に手拳大の腫瘤を認め,拇指頭大のリンパ節腫脹を伴っていた.初診時の生検で隆起性皮膚線維肉腫と診断した.2009年3月,切除術を行った.皮膚病理組織では,storiform patternを示し,特殊染色でCD34が陽性かつKi-67が陰性の部分と,強い細胞異型があり,CD34が陰性かつKi-67が陽性の部分とに比較的明瞭に分かれた.また,転移リンパ節はstoriform patternを示し,CD34とKi-67がともに陽性であった.隆起性皮膚線維肉腫がリンパ節転移をきたすことはきわめて稀である.
参考文献
1) 板倉英潤:最新皮膚科学体系13, 中山書店, p89, 2002
2) 木谷哲史, 他:日呼吸会誌46: 253, 2008
3) Lal P, et al: J Surg Oncol72: 178, 1999
4) Volpe R, Carbone A: Am J Dermatopathol5: 327, 1983
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