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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻9号

2010年08月発行

文献概要

症例報告

手指および口唇,口腔内に丘疹を生じた菊池病の1例

著者: 板谷利1 笠井麻希1 村田純子1 加藤直子1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター

ページ範囲:P.696 - P.699

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要約 27歳,女性.既往歴に外陰部の再発性単純性疱疹を有する.初診の1年前から反復する頸部リンパ節腫脹を自覚していた.初診の1週間前から左手示指に紅色の有痛性丘疹が出現した.その後,37.9℃の発熱を伴う右頸部リンパ節腫脹と,口唇および口腔内に丘疹とびらんが出現した.さらに外陰部に単純性疱疹が再発した.頸部リンパ節の病理所見では核崩壊像を伴う細胞の壊死と,これらを貪食する組織球の浸潤を認め,菊池病と診断した.手指の丘疹は表皮細胞の個細胞壊死と基底層の液状変性,真皮の血管周囲に組織球の中程度の混在を伴うリンパ球を主体とする炎症性細胞浸潤を示し,菊池病の特異疹と判断した.口唇および口腔内の丘疹,および小びらんは菊池病の約10%程度に出現する口腔粘膜疹と考えられた.菊池病の原因としてヘルペスウイルス群の関与が推察されているが,自験例では血清抗体,DNA検索とも否定的な結果を得た.

参考文献

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2) 藤本吉秀, 他:内科30: 920, 1972
3) Hudnall SD, et al: Int J Clin Pathol1: 362, 2008
4) Atwater AR, et al: J Am Acad Dermatol59: 130, 2008
5) Kuo T: Am J Surg Pathol19: 798, 1995
6) Yen HR, et al: Eur J Pediatr163: 210, 2004
7) Spies J, et al: Am J Surg Pathol23: 1040, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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