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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科64巻9号

2010年08月発行

文献概要

症例報告

ウイルス関連血球貪食症候群(VAHS)を合併したと考えられた重症水痘の1例

著者: 川端栄理子1 浦川佳子1 日高良子1 磯田憲一1 黒川一郎1 水谷仁1

所属機関: 1三重大学医学部附属病院皮膚科

ページ範囲:P.709 - P.712

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要約 47歳,女性.悪性黒色腫(stageⅢc)に対する化学療法後3日目に水痘を発症した.γグロブリンとアシクロビルを投与したが,発熱と腹痛が続き,症状は悪化した.意識障害,劇症肝炎および播種性血管内凝固を生じた.血漿交換と血液濾過透析を行い循環動態は改善したが,進行性の汎血球減少が出現したため,ウイルス関連血球貪食症候群の合併を疑い,ステロイド療法を開始した.ステロイドパルス,内服療法を行い,抗凝固療法や輸血療法を併せて行うことにより,症状は軽快した.水痘は免疫機能低下症例においては,合併症を伴い,重症化するケースがあり,注意が必要である.

参考文献

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10) Gill DS, et al: Br J Haematol88: 204, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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